若者世代との繋がりは消毒と除菌

あと10年もすれば私は定年退職。
同年代の同僚が集まるのは給湯室、そこなら換気扇があるためタバコが吸える。
1年前なら飲み屋のネエちゃんの話で盛り上がっていたのだが、ウィルスが流行してからは手の荒れが専ら話題になる。

家でも職場でも消毒や除菌を強制される、強制されなくても常にマスクはしている、トイレを利用したら手を洗っている、外出したらウガイもしている、買い物から帰ったら買ったモノを除菌スプレーでキレイに拭いている、ちゃんとやっているのに、部下のOLからは「手を出して下さい消毒しますから」。
消毒と除菌で私達オジサンは手が荒れてカサカサ、同年代の同僚の中には消毒と除菌のしすぎで皮膚がめくれ、病院で治療を受けている者もいる。
肩身の狭い私達が給湯室でタバコを吸っていると、自分の娘ほどの若いOLがやって来て、「換気するから給湯室から出て下さい」
私、「まだ、タバコを吸っているだろ」
すると若いOLは、火の付いているタバコを目がけて除菌スプレーを「シュー」。
そのOLが使っている除菌スプレーは、カーテンなど広範囲に除菌スプレーを吹きかける時は「シュッ、シュッ」、遠くへ除菌スプレーを飛ばす時は「シュー」と、ノズルが切り替えられるようになっている。

除菌スプレーで濡れてしまうとタバコは吸えないため、私達は給湯室から追い出されるのだが、ただ追い出されるだけでは癪に障るため、除菌をしている若いOLのお尻を目がけて除菌スプレーを「シュー」と吹きかけてやると
若いOL、「何をするんですかセクハラですよ」
良いリアクションを見られた私達は、屋上へ行ってタバコを吸った。

冬の屋上は寒いため、誰も上がって来ないから落ち着ける。
タバコを吸い終え職場に戻るため屋上のドアを開けようとしたのだが、誰かがカギを掛けたのか開かない。
誰だカギを掛けたのは、早く開けてくれ、屋上は寒いんだ!
先程まで居た給湯室を見ると、お尻に除菌スプレーを掛けられた若いOLが、屋上にいる私達を見て笑っていた。
「やはりアイツか!」、カワイイ奴だ。
そのOLは、手が荒れた私達にクリームをくれるなどオジサンの私達にも好かれている、良い人を見付けて幸せになるんだぞ。